自分だけの部屋

 子供が、自分の部屋が欲しいを思うのは、中学生ぐらいからだろうか。
今 豊かな日本では、欲しいと思ったときには 自分だけの部屋を持てる
環境がある場合が多い。 
 ひとりでいたい時、ひとりでなにかしたい時、子供たちは 部屋に入り込む。
そこで 何をしているのか、なにを考えているのか想像はできるが
本当のところはわからない。そうして、親離れをしていくのだろうが・・。
 

 仮住まいの家は2DK。二男 三男と4人で暮らしている。
長男は 平日は 朝晩 ほぼ顔を見せる。
私たちの寝室兼食堂兼居間の6畳と 隣の6畳に二男と三男。
三男は 押入れの下の段が ベッドだ。
今より低い家賃で 立地条件などをがまんすれば 3DKも いくつもあったが
あえて 子供たちにもウサギ小屋体験をさせてみたかったのだ。

 5ヶ月 住む予定の ほぼ半分が過ぎた。
この狭さが なんとも楽しい。
子供たちの様子は おかしいくらいによくわかる。
会話も 咳も寝言さえ聞こえる。

 先日 長男が所属するサッカーチームと二男が急遽作ったチームとで
フットサルの親善試合をやった。
長男がその話をもちかけると 嬉しそうに二男が高校時代の友達に
電話を次々としていた。
「やばい!○○のおやじさんもついてきそう」と 
強力チームを作ろうとしていた二男が言うと、
「いやいや おまえ 中年のおじさんは あなどれないよ。すごいパワーが
ある人もいるぞぉ」と笑いながら言う長男。
 試合の結果は、二男のにわかチームの負けだった。ジュビロのごんちゃん
の後輩たちで、元サッカー部ではなくても 校技はサッカーというプライドをかけて
やっただけに ショックだったようだ。
そのやりとりの一部始終を  私は 台所や居間にいて聞いたり たまには口出ししたりして、楽しませてもらった。
 元の家だったら 2階の二男の部屋に長男が行って話し、1階にいる私がなにも 知らないうちに 試合が済んでいたに違いない。

 高校1年の三男が 普段 いかに勉強をしないか!
しかし この期末テストの前は いつになく少しだが、勉強していたということもわかった。試験勉強中の兄の影響を受けたと思われる。
 隣のふすまは閉められていて、二男と三男が 静かにしている。
二男は隣の部屋にいれば 勉強中であることはわかるが、その横の机で三男も
勉強しているかもしれない。だとしたら、その珍しい姿を是非とも ひとめ見てみたい・・・と そろりっと ふすまを開けて 覗いてみると
めったに見られないふたり勉強中のほほえましい光景(
こちら)に 思わずにやけてしまい、すぐにデジカメで隠し撮りをしてしまった母であった。
 これは ふたりに見つかると、肖像権がどうのこうのと やっかいな問題になりそうなので、 秘密 ひ・み・つ・。


 自分だけの部屋がないと TVのある部屋に自然と集まってくる。
って 他にいくところもないから・・・
ひとりごとでも 聞こえてしまうような狭さだから 会話が増える。
 で 11時近くなると 居間は寝室になる。
「さぁさぁ」なんて 人を追い払いながら ふとんを敷くのだが しばらくすると ちゃっかり ふとんに入り 息子はTVを見ていたりする。
「あっためといたよぉ」なんて 言われると 目じりが下がってしまう。
 この前は 布団をざぶとんがわりにして 周りには 男どもが ぞろぞろいて、おおさわぎしながら ボクシングを見ていた。
興味がなかった私は 歓声を子守唄にして心地よい眠りに入ってしまった。

 昨夜 弟と電話で話した。
高校1年の長女の ケータイ料が多額であること 化粧のことなど 理解できないとぼやいていた。一昨年 家を建て、当然 子供部屋を作ったのだ。
 子煩悩の弟は  寂しそうに
「すーぐに、自分の部屋へ 入っちゃうんだよなぁ」と 言った。
ウチの子達もそうだった。新しい家でも、きっとそうなるだろう。
 ドアをバタンと閉め 部屋に入ってしまったら、なにをしてるのやら〜
音もなくドアを開けて 様子を見るなんてことは、勿論できそうにない。

                                    2002  12. 12
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