なかなかやるねぇ〜わが子ながら


 月曜日の朝 いつものように 早く起きてきた3男。
「あらぁ 早いねえ。まさか 朝練?!」と聞くと、そうだと言うではないか!
思わず この驚きをどう表現していいかわからず、
「えらいねえ〜〜〜めげないで!」と言うと
「また 試合があるし・・・落ち込んでいてもしょうがない・・」と 洗面所に入っていった。

 土曜日に、テニスの大会があった。
この大会にかける意気込みは相当なもので、一ヶ月も前から
「今度の試合のことを 考えると 足がふるえてくる」だの
「今から 緊張してる〜」
「入試の前と同じくらいドキドキしてる」・・・と 言うのだ。
県中部の高校1年生の大会なのだが、来年になると天才肌の1年生が 1年生のレベルにはあわなくて 2年生の大会に出てくるのだそうだ。
もう中学で 注目されている子たちがいるらしい。
で、優勝できるチャンスは、今年のみと思っているのだ。
それにしても・・・
「期末テスト そろそろなんじゃないの?」と私。
「そんなの どうだっていいよ・・・大会がすぐなんだよぉ」と・・まあ こんな調子で、朝から晩まで テニスのことで 頭がいっぱいの息子だった。

 地元と隣町の 2つのテニスクラブに入り、部活も勿論やり、自主的に朝練や暇ができると 中学のグランドに行き、練習に練習を重ねていた。
「5試合勝てば ベスト16に入るから、そしたら 見に来てよ!」と 
前回のダブルスの大会の時と同じく(前回は準優勝)言っていた。
「勝てると思ってなければ 勝てない」
「メンタルな部分が 勝つためには とても大事」と、ネットや本で調べ ビデオでフォームを研究し 大切なことばを机の前の壁に張りつけ、寝る前には筋トレをし・・・
 なんという打ち込みようだろう! そのひとかけらでも、勉強のほうに向ければ 少しは成績も ましになるだろうに・・・・と つい思ってしまうのだったが。
そう 考えるのは、もう止めにしようと決めた。
これだけ 熱中できるものがあるって すばらしいことではないか。
この子の人生なのだもの、この子なりに自分で 生きる道を切り開いていけばいいのだ。


 土曜日の その試合の結果は かわいそうに惨憺たるものだったらしい・・・・
その日 私が、出かけていて帰ってくると、3男がいた。
「おかえり・・・」という声で、勝てなかったことが、すぐにわかった。
新聞を見る寂しそうな横顔・・
なんとことばをかけて いいものやら・・・・落胆ぶりは、ひどかった。
さぞ さぞ 悔しくて 悲しくて やりきれないきもちだったろう。
3試合目で 負けてしまったのだそうだ。
涙が出そうで、半泣き状態だったと本人の弁。

 次の日は、日曜日。
いつもなら 家族がまだ 寝ているうちに 練習に出かけるのだが、
さすがに 起きてこず。
ゆっくり させてやろう〜と静かにしていると、そのうちに起きてきて
「部活が あるけど、きょうは休む・・」と言って、また寝てしまった。

 そして そして、文頭に書いた月曜日!
小さな挫折だけれど、乗り越えようとしていた。

すごい!
えらいよ!
こんなに強い子に 成長していたんだ!
なかなか やるねぇ〜
いい結果が残せなくて、負けて悔しい思いをして、打ちひしがれて、
それでも また立ちあがろうとしている♪
いい勉強しているなあ♪
部活を 一日さぼっても、寝ながら考えていたんだね♪
立ち上がるエネルギーは、練習の時のエネルギーよりも、
もっと もっと たくさん必要だったかもしれない。
そのエネルギーを出せる人に、育ってくれたことがわかって、とっても嬉しい。
友達と いつものようにメールのやりとりをしていた。
友達の支えも 大きかったんだと思う。
しっかり自立して、自分の足でたくましく生きていけそうね〜末っ子ちゃん〜
 

 10月で 16歳になった。
   

                                2002  11.29

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