家へ・・・・・20年分の手紙
2階 3人の息子たちの部屋


 いよいよ お別れのときが来てしまったね。
20年間 家族を まがりなりにも?!守ってくれてありがとう。
君たちの寿命からみると、随分短命だったけれど 新築当時から雨漏りしシロアリに住みつかれてしまっていたにしては よく頑張った!!

 この20年間は、家族にとっては華々しく 変化に富んだ時代だったわあ。子供たちが次々と、小学校、中学 高校 大学そして就職と 離れていったりまた戻ってきたり。
親として 喜んだり 心配したりの連続だった。
思春期には、時として壁やドアにやつあたりされ驚いたことでしょうね。
長女のときには、「思春期の子供の親」初体験で その変貌ぶりに驚き 悩み、お風呂場で、声を殺しながら涙をシャワーで流した夜もあった・・・・君しか知らないことだったね。

 新車エピソード・・あれは ここで生まれた3男が幼稚園の頃だった。
買い換えることに決めたとき、「ウチの車 どうなるの?」と悲しそうに聞いたのよね。
「ぺちゃんこにされ、ゴミになるかも?」と言うと、
「そんなのイヤだ!かわいそうだ〜」と大泣きされて困ったことがあった。
洗濯機を替えるときも 泣かれてしまったっけ。 
君が壊されることになり 泣いてはいないけれど(もう高校1年だものね)、きっと悲しくって せつなくって泣きたいのをこらえていると思う・・・

 20年間!  思えば いろいろな人に泊まってもらったよね。
家族が崩壊してしまった気の毒な幼子を 里子ちゃんとして3年間 長期の休みのときには預かったり、義姉が入院中 赤ちゃんだった姪っ子がしばらく来ていたり。
インドネシアの中学生が2週間 ホームステイしたこともあったね。
私たちもはちきれそうに若かったし。 
賑やかで 楽しい 楽しいときだった!
広い部屋が嬉しくて ウチの子もよその子もなく、みんなでごろごろ ごろごろ 並んで寝てた〜

 思い出すだけで涙が出てしまうようなつらいこともあったわね。
次男の思いがけない交通事故、父と義父の入院と死。
家をしばらく離れ 帰ってくると、ほぉ〜っと深い息ができて、疲れが癒された。

 ありがとう
君は楽しいときもつらいときも、いつも  見ていてくれたね。
家族みんな 君のことは 忘れないよ。
家族の友だった本が並んでいた作りつけの本箱と子供達の歓声が聞こえてくるような 背比べした柱は、新しい倉庫に残されてるんだあ。
見るたびに きっと 懐かしく思い出すことでしょう。

 君たちは、人間が生活していく上で大切な役目をになっているけれど、何よりも 忘れてはならないことは、住む人の心のありかただよね。
豪邸であっても、家族が 人が憎みあい冷たい心でいたなら つまらない。
新しい家は、君と間取りはほとんど同じ!
少し広くしただけなの。
私たちの生き方を これからも見守っていてね。
「どこで?」って?
私たちの心の中でさ。

では では、名残はつきないけれど・・・・・さようなら・・

                            2002  9.28


   
「発信箱」目次 前ページ 次ページ トップページ