言われたくない、そのことば


 
 テレビの「更年期特集」を見ていたら、この時期言われて嫌なことばのトップテンをあげていた。
ウチの夫がよく言う「女でなくなる」と「年とったね」は、上位に入っていた。

 ほらほら やっぱりだれでも嫌なのよ。
早速 夫に話すと「へえ〜」という顔をしていた。
そういえばそれ以後 気をつかっているのだろう、言わなくなった。
心の中では、思っているのかもしれないが。
 
 前は、しげしげ見つめて、なにをささやいてくれるのかと思えば、
「年とったねえ」とか、「きたなくなったねえ」だもんね。
私のシミが目立ってきた手を見て「それ、死二クスべっていうんだよね」とくる。
確かに すべて事実には違いない。私だってよく わかっている。

 
 ゲラ ゲラ 大笑いをすると、
「そんな顔をして笑うとねえ、ますます目じりにシワができるよ」とからかう。
整形して若々しく美しくなった女性がでてくるテレビ番組を、夫とともに見ていた時、
「私もやりたいな」と言うと、夫が、私をじっと見て
「やりたいのならやってもいいよ」といったものである。
 
 「やらなくていいよ。そのままがいいよ」
と無理してでも言えば、理想的な中年夫婦の会話になったものを・・。
思いがけない反応に戸惑い、すぐその後で 言った。
「私が若くきれいになったら、あなたとつりあわなくなっちゃうから、やっぱりや〜めた」と。

 まあ、白髪がめだち、顔が年々デカクなってきている夫になにを言われようと
言われなかろうとも、本当は、さほど気にもしてない。
(同窓会で初恋の人に言われたりしたら、傷つくでしょうねえ。)
 
 それに、私もおもいっきりきついことを言っている。 
今朝のことなのだが、体育大会だということで、夫がタオルをリュックに入れるところをチラッと見てしまった。
脱衣所にあった洗い古され模様も薄くなっているようなタオルを!
 
 トイレに入っている間にイブサンロ−ランかなんかのきれいなブルーのタオルに入れ替え、送っていく車の中で言った。
「そこにいるだけで、中年おじさんはきったならしいんだから、持ち物ぐらいこぎれいなおしゃれなものを持つように気をつかってよね。若い人たちに嫌われるよ・・ほらほら、白い鼻毛がのびてるよ。」と。


 夫は、「そうだねえ」と言いながら、どこ吹く風で予定表を開いていた。
思いは、職場に行っている。
 
 お互いに 好きなことを言い合っているが、28年も共に暮らし、たいした波風もたたず共に年を重ねることができたことは幸せだったと思う。
これから先のことはどうなることやらわからないが。

                 2002  5.30
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