全国に別荘あるよ


 夫と甲府に向かう身延線の列車の中で、別荘の話になった。
 「別荘を持つと、管理も大変だろうね」         「そうねえ、ウチは別荘を買うのはやめようね!?管理が大変だもん。
 別荘を買うことを思えば、旅館やホテルに年に何泊かするのなんて、安いもんだねえ」と私。
 「うん、別荘に行ってない時にまで、いろいろと心配したり気にしたりしなくていいし、旅館やホテルなら、朝食は和風にしますか?洋風にしますか?なんて細かいところにまで気を配ってもらえるしね」
 「そうよね。泊まる時だけ、自分ちの別荘だと思うと、なんか楽しいね。
 数え切れないほどの別荘が、全国にあります!なんてね」
 「ただし、使う時、他の人が使ってないかどうか確認しなくちゃあいけないけどね」と夫。

 ゴールデンウイークだというのにガラすき、テーブルもあり、リクライニングもできる新幹線のような豪華な車内に大満足しながら、コーヒー1缶で、たわいない会話を楽しんでいた。
 
 この日、昼前に甲府に着くと、雑誌に紹介されていた「キリン館」というレストランでおいしいワインを飲みながらランチ。
 
 ゆったりと食事をしたあと、武田神社、県立美術館(ミレー美術館とも言われている)同じ敷地内にある日本でただひとつという文学館にも立ち寄り、予定の日程を終え、「初めて見る別荘〜シティプラザホテル紫玉苑」に徒歩で行った。
 
 実は、ここは公立学校共済の施設なので、宿泊料が割引してもらえる。今年の冬、京都に行った時にも、昨年の夏、上高地に行った時も、調べて同じような「別荘」に泊まったのだった。 
 
 次の日は、秩父多摩甲斐国立公園になっている昇仙峡に、バス、馬車!ロープエーに乗り行った。  美しい若葉の緑に包まれた自然が造ったみごとな渓谷に沿った道を、帰りはひたすら歩いた。
 
 しまいには、「あなたの歩幅に私は合わせてるんだから・・どんなにそれが大変かあなたにはわかんないんだよね!」と文句がでてしまうほど歩き、足は棒。
 夫は174cm、私は157cm、しかも夫は歩くのが速い。「クニエ以外の人と歩くとどうしてもみんなより速くなってしまって歩きにくいんだよな」などと前にもらしていたことがあったが、私はいつもあなたに超〜無理して合わせてるんだってば!  
 
 前日と合わせて、10キロ以上は歩いた計算になる。くたくたに疲れ、ふもとに近い林の中のベンチに横たわり、心地よい木漏れ日を浴びながら、二人ともウトウトしてしまった。
 
 気楽な二人旅。いつかこんな日も来るだろうとは思っていたが、そんな年齢になってしまったということだ。
 
 ここ2年位の間に、父と義父が他界した。親が具合が悪い時は、旅行どころではなかった。
 幼い子を連れてというのも大変だし、ウチのように年齢差のある子供達だと行きたい所は違うわ、部活などで行けない子がでてくるわで、結局これまで泊まりの旅行に出かけることはほとんどなかった。 
 
 現在、母達はなんとか元気でいてくれる。子供達は、「行ってきなよ。メシ代は置いていってくれるよね」と言うだけだ。出かけられる時に出かけないと、いつどのような状況になるかわからない。
 
 帰りの列車の中では、1時間ほど爆睡したあと、どちらからともなく、次に行く「別荘」の話になった。 
                     2002 5. 8
       
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