ハッピーバースデー


 5月6日、54歳の夫の誕生日。
 リュックとウインドブレーカー、帽子が欲しいんだそうだ。そういえば、これらすべて、子供のおさがり?だった。
 ウインドブレーカーは、長男が高専時代、文化祭のスタッフになり着たもので学校名入り、帽子は次男が高校の野球部時代のもの、リュックにいたっては、娘が中学の時買ったものだ。 
 
 まず、「シラトリ」で3点を選んだ。
 夫は、いつもほとんど迷うということがない。さっさと決めて、「嬉しいなあ」とご満悦。
 
 ウインドブレーカーは、私が最近購入した、kappaの全く同じデザインのサイズが大きいやつ。新婚の時以来のペアールックということになる。(きゃあ〜ちょっと テレル〜)


 その後、はがきをもらっていた藤枝のカクタスハウスでランチ。まずワインで乾杯し・・おいしくてふたりとも4杯もおかわりしてしまった。
 
 私の席は壁に面し、夫はフロア−が見渡せる席。いつも大体そのように私は、意識して座る。
 アルコールが回ってくると、夫のお客さんウオッチングが始まるのだ。 
 「むこう隣の若い女の子、昼間っから顔真っ赤にしちゃって・・」
 「人のこと言えないよ」と言いながら、さりげなく(そうしたつもり)振り返って見る。二人連れだ。
 
 聞き耳をたてていたわけではないが、そちらのほうから、「ウチの女房が、、、」と男性の声が聞こえた。
 「夫婦ではないらしいよ」と小さな声で私が言うと、「夫婦でない人たちは、往々にして多弁だね」やっぱりねという顔で夫が言った。
 

 今度は遠くに目をやり、「あっ、あの人グランシップの館長の山本さんじゃないのお?そうだ、山本さんだ」帰り際に、お店の人に聞くとやっぱりそうで、店のオーナーが息子さんなのだそうだ。 
 
 メインディッシュは、和牛のなんたらかんたら・・名前は忘れてしまったが、ホワイトソース系のソースで、おいしかった。
 
 帰りはスーパーにより、夕食やお弁当の材料を買った。それらを入れふくらんだ、買ったばかりのリュックを背にし、軽快に自転車をこぐ夫に後ろから言った。
 「わたしっちはスーパーに寄ったけど、あのふたりは帰りにどこに寄るんだろうね?」平凡に暮らす中年おばんのお粗末な想像力が働く。
 「スーパーには寄らないだろうね」と夫。
 

 父が亡くなる前の年ー3年前まで、私の実家は、広くお茶畑を作っていた。
 ゴールデンウイ−クは毎年お茶摘みの手伝いで、夫の誕生日をゆっくり祝うという余裕がなかった。
 「お茶摘みも楽しかったねえ。子供たちも小さい頃は一緒に行って、いい経験だったよね」と夫が言ってくれたことは嬉しかった。
 
 父 ふたりが亡くなり、子供たちは大きくなり 夫もまたひとつ年をとった。   
                  2002 5. 8

    
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