恐くない組長慰安大会

 弁護士の大平光代さんの元ダンナのような方々の集まりではない。
焼津市は、 23の自治会に分かれ 各自治会はいくつかの総代に、 そして各総代は隣組に分かれている。
 その組の組長を中心に役員と共に夏の一日(今年は8月4日)を 楽しく おいしく涼しく過ごし また残された来年3月までの日々を頑張って過ごしましょうという会だ。

 私は 民生児童委員なので、毎年案内がくる。
 できるだけ参加するようにしているが、今年は6月に他の会で行ったコースと全く同じだし、教会の月一度の役員会(私は 書記)もあるし、キックベースボールの練習日にもなっている。どうしようかと迷っていた。
 浜松のエンパイヤホテルで食事とお風呂、帰りに自衛隊の広報館見学というものだ。
 食事まではいいとしても、広報館は これが全部 私たちの税金で作られているのかと思うと、なんだか腹が立つ、こんなに お金をかける必要があるのかと思ってしまうほど、立派な施設なのだ。そんなところに正直なところ年に2回も行きたくない。


 とはいえ 地域の人たちの集まりに行くと、いつも思わぬ出会いや発見があり、民生児童委員としての仕事に役立つ場合も多い。
 思い切って、他の二つを捨て、参加することにした。

 朝 3台のバスに分乗。隣は、体育委員長のMさんだ。いつもは、グランドで会うことがほとんどで、考えてみれば ゆっくり話したことはなかった。
 日本女子ソフトボールの話、プロ野球、サッカー、子供さんのアトピーのことや夏のレジャーの話など などつきることなく話している間に、目的地についた。
 アトピーでかゆくて、夜中に目をさまし泣くという4歳の末っ子ちゃんの話には、かわいそうで暗くなってしまった。
 いつもかゆいということは、どんなにつらいことか!なんとかならないものだろうか。子供は勿論、親もつらいなあと思う。


 ホテルでは、総代ごとに座る。宴たけなわになってくると、話もはずむ。
 組長のFさん、市会議員のOさんと蛍の話や自然を守っていかなければ!という話で盛り上がった。
 家のまわりで昨年は、1匹の蛍を発見したが、今年は見ていない。
 10年ぐらい前は、「あそこにも・・ここにも」というほど蛍がいたのだ。
 蛍を育てるのは大変だが、できないことはない。養殖して蛍祭なるものを行ったりするところもある。
 しかし、その蛍の子孫が翌年自然に育つことは困難だ。まず蛍が自然に育つような自然を取り戻すことが大事という結論にいたった。
 
 「なぜ、小川やどぶ川をコンクリートで固めてしまうのか!」組長のFさんが不満をぶつけるように話す。
 「兼業農家が多くなり、田畑の横を流れる小川の草取りが、大変だからだ」と。
 家のそばを流れる小川も、何年か前 コンクリートで固められてしまった。子供達が毎日のように、ザリガニやどじょう、フナなどをタモで取って遊んだ川だった。
 それほどきれいではなかったが、川の両側には草が茂り、月夜の晩などに、橋の上から下流を眺めるとなかなか趣があった。


 川の工事が始まった頃、子供達は川遊びをするような年齢ではなかったが、「どうしてコンクリートの川にしてしまうんだろう?!」と怒っていた。
 そんな思いをもっていた人は、ウチの家族だけではなかったと思うが、日に日に川はただの水路に替えられていったのだ。

 久しぶりに会うと「お元気でしたか?」と言う挨拶から病気の話になることがある。
 組長のHさんは、昨年肺がんと言われ肺のなんぶんのいくつかをとったのだそうだ。タバコは20歳の時から40数年間吸っていたという。
 今ではきっぱり止めたと話すHさんが、手術の時の話になると目がうるんできた。
 最初の検査が医療ミスで、肺に傷をつけ大出血し組織を取ろうとしたのだけれど取れず大変だったということだ。「痛くて 痛くてたまらなかった」と。
 
 この2年の間に父と義父を病気で亡くした。
 「痛み 苦しみ」で悪夢にうなされたり、まゆをよせ耐える2人の姿を思い出し、Hさんの痛みを思うと涙がでてきた。「手術しないで、このまま終わろうかと考えたりした」と話すHさん。
 元気になられて、本当に良かったと心から思った。
 Hさんは、顔、雰囲気が大好きだった父に似ている。父はお酒を飲むと、いつもニコニコして幼いときからそうであったように、いい年をした私を誉めまくっていたものだ。
 父が亡くなって誉められることがなくなりなんとも寂しく思うことがある。


 会社を辞め、専業主婦になった婦人部のOさんは、社会とのつながりをもっていたいと、編物やパッチワーク教室に通っているんだそうだ。
 いつもなにかをしていないと落ち着かないらしい。お孫さんの服を編んだりベッドカバーを作ったりと充実した日々という。
 たまに、歩いている姿を見かけるが、いつも背中がピンと伸びている。そのことを言うと、自分で気をつけてると言われた。
 「背中をピンと伸ばすように気をつける」ということだけは、ただひとつマネができそうだ。

 自衛隊の広報館では、結局喫茶室でカキ氷を食べ涼しくおいしい時を過ごした。隣のテーブルのSさんが、アイスコーヒーを飲んでいたので、カキ氷を食べながら「アイスコーヒーもおいしそう〜」と言うと、なんとアイスコーヒーを注文してくれた。言ってみるもんだわと思った。
 Sさんは、警察署を退職後 奥様とのふたり暮らし。民生児童委員として2期目だ。
 以前、私の担当地区で警察に連絡しておいたほうがいいと思われることがあった。Sさんが、知り合いの警察官を紹介してくれ心強く思ったものだ。


 行こうかどうしようか迷ったが、参加してみれば有意義な一日となった。
 ちなみに我が家では、?自治会?総代?組と間違いなく言えるのは、家族の中で私しかいない。
                   2002  8. 5
 
「出かけてリフレッシュ」目次 前ページ 次ページ トップページ