今年も暮れてゆきます

 

  真夜中です。

「ラジオ深夜便」が、たった一人の部屋の中で、かき消されるような小さな音を、流し続けています。

 今年も、激流のような情報の洪水の中で、ともすれば個人がかき消されていく社会に、私達、誰も彼もが翻弄され、漂っていました。
なんとか、自分を一人の「人」として保ちたいと、足掻きつづけました。
孤独と向き合い、自分を支えてきました。・・そう、皆、必死になって。

 昼の喧騒から逃れるように、深夜の音を手探りで求めています。
今夜も推定300万の人々が、真夜中にそっと、ラジオのダイヤルを手にしています。
こうして、年の瀬を、じっと過ごしている方が、大勢いらっしゃるのですね。
今、何気なく聞いていたラジオの「深夜便の歌」の歌詞が心に深く、浸みこんできました。
最近、深夜便で発表されたばかりの新曲です。

 アーティストは大橋純子さん。歌の題名は、「大人の恋をしましょう」です。
じっくり味わう歌詞は、優しさに満ちています。
40代〜50代くらいの方達向け、と言っていいのでしょうか?
人生の円熟した、静かさと、暖かさと、それでいて一抹の寂しさをじっくりと詠いあげています。
大橋さんも、今年58歳の熟年シンガーです。

 「生きているって素晴らしい」・・・躓き、転んで、それでも立ち上がり、歩こうとしている、全ての大人たちへの、応援歌のようにも聞こえませんか?
暮れてゆく年の瀬、この歌に耳を傾けてみませんか?
除夜の鐘を聞きながら、一人暗闇の中で、心豊かな歌詞を味わえるのも、素敵な大人の時間の過ごし方かもしれませんね。

 

 ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、ご参考までに歌詞をお伝えしましょう。

 

アーティスト:大橋純子

作 詞:森雪之丞

作 曲:佐藤健

 

「大人の恋をしましょう」

 

不思議ねこんなところで

あなたとまた逢うなんて

ロマンティストに偶然は無いの

これは運命

 

いろんな事があったわ

消せない傷もあるけど

若い頃よりいい女でしょう?

今の私

 

照れずにお願い

何か話してよ

胸のときめきを

聞かれてしまいそう

 

大人の恋をしましょう

上手に愛せなくても

生きているって素晴らしいじゃない

それでいいの

 

あなたの笑顔が

青空に溶ける

世界はいつでも

光にあふれてた

 

大人の恋をしましょう

優しく時を重ねて

生きてゆけたら素晴らしいじゃない

それでいいの

 

ねえ恋をしましょう

 

 

 もうじき、夜が明けます。
モナコ公妃だった、グレースケリーの言葉が思い出されます。
アメリカの女優から、モナコ公国の公妃になり、その美貌と知性で周囲に幸せを届け続けました。常に微笑みと、喜びしか表さない、愛される公妃を演じ続けました。
でも、真の姿は、表面に現れる「幸せに満ち足りた公妃」とは違う顔も持っていました。しかし、決してそれを他人に見せることはありませんでした。
グレースケリーは、52歳で交通事故により世を去りましたが、生前次のように言っていたと、伝えらています。

 

『悲しみは、自分ひとりの物とすべきです。  悲しみは、他人に知られてはならないのです(グレースケリー)』

 

「大人の恋をしましょう」の歌の世界と、そっくりだと思いませんか?

いろんな事があったわ 消せない傷もあるけど・・

生きているって素晴らしいじゃない それでいいの・・

 

今年も、稚拙な文章にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。

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